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◆歌舞伎の足袋◆ 本日は歌舞伎役者さんの足袋についてお話しいたしましょう。 まずは、採寸です。当店の注文足袋は、足が細くきれいに見えるように、底を狭くとり、爪先から足首までをきりりと包み込むように作ります。そこで、最初のご注文時には足裏の幅や足首まわり、甲の高さなど5箇所ほどを計らせていただきます。出来上がると、実際に履いていただいて、こはぜを受ける掛け糸の位置を変えるなどの細かい調整をします。これが基本ですが、早変わりをなさる場合は、こはぜではなくマジックテープも活躍します。 また、歌舞伎で使う足袋は、一般に派手な色の生地を使います。照明が当たると色は飛んでしまうので、たとえば客席で桜色に見えたら、実際はショッキングピンクに近い色といった具合です。それから、演目が古い時代を扱ったもの、たとえばヤマトタケルだとしたら、足袋はどんな形になると思われますか? 足元がスリッパ型の靴ですから、足袋は靴下型。つまり、親指のところで二股に分かれていないものを使うんです。 旅立ちの場面では紐足袋が登場します。足袋の紐を結ぶことで、旅立ちの感じが増すというわけですね。 ちなみに絵に描いてもらった紐足袋の柄はトンボ。トンボは「勝虫」とも呼ばれていて、縁起がいいんですよ。 次回、歌舞伎をご覧になるときには、どうぞ足元にもご注目を。
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