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各店のよもやま話

各店のよもやま話

◆"かんも"と「すじ」◆

 当店の看板商品は半ぺんと蒲鉾ですが、そのほかの名物として"すじ"がございます。半ぺんはサメを主原料として作るのですが、その副産物として大量に出るのが軟骨や身のついた"すじ"。これをミンチにし、少量の食塩とつなぎの澱粉を加えてすり、すだれで巻いて茹でたものを商品としてお出ししているのです。手前味噌になりますが、これがおでん種にするとなかなかおいしく、歯ごたえの楽しさもあって、おもに冬の間だけ販売しているのです。
 ところで、歌舞伎界では若手でちょっと筋のいい役者が出てくると、
「あの野郎、ちょいとカンモだねえ」という言い方をするのだという話を梨園のかたから伺いました。うちの"すじ"と、素質があるという意味の"筋"をかけた梨園ならではの粋な隠語。いつ頃、どなたが言い始められたのかもわかりませんが、ありがたいことです。
 "すじ"は、元はといえば余り物を利用できないかと工夫した商品。また、現在でも決して主力商品ではありません。けれど、そうした脇役にもちゃんと目をかけてくれているファンがいたことを、思いがけない形で知ることになったのです。
 この先も、「すじがいい」と言っていただけるように精進を積まなければ…。背筋が伸びる思いでございます。
挿絵



はんぺん
神茂
●中央区日本橋室町1-11-8
(地下鉄三越前駅から徒歩5分)
●03(3241)3988


◆お神輿かついで甘酒飲んで◆

 なまじ「酒」という字が入っているので誤解されやすいのですが、甘酒にアルコール分は含まれていません。甘酒は古来、「酒」ではなく、「甘味」を得るための飲み物だったのです。また、甘酒は温めて飲むのが一般的なので寒い時期のものと思われがちですが、本来は夏の飲み物。ビタミン群が豊富で吸収が早いため、夏バテや疲労回復に即効性のある栄養ドリンクとして愛されてきたのです。神田祭の神輿の担ぎ手が交替しては甘酒を飲んで、また飛び出していくというのも、この即効性によるところ大だからです。
 今年は2年に1度の神田祭の本祭が行なわれる年。一昨年、天皇陛下ご即位10年を祝して日本橋水天宮より奉献された大神輿も加わって、今年の祭りは一層華やかなものになりそうです。
 祭りは5月10日の鳳輦神輿遷座祭に始まり、15日の例大祭に終わりますが、クライマックスとなるのは13日の氏子神輿宮入り参拝の日。門前に店を構えます当店も、創業150周年を記念して平成6年に女性だけでかつぐ神輿を造り、以来、お仲間に入れていただいております。勇壮華麗な神田祭で、昔と変わらぬ江戸っ子の心意気を感じていただけたら、氏子の一人としてこんなに嬉しいことはございません。
挿絵



甘酒
天野屋
●千代田区外神田2-18-15
(JR御茶ノ水駅から徒歩5分)
●03(3251)7911
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