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◆花火の始まりは?◆ |
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花火がいつ、誰の手によって作られたかといった起源についての話は、残念ながら正確なことがわかっていません。花火にとって欠かすことのできない黒色火薬(硝石75%、硫黄15%、木炭10%から成る)の発明の時期さえ、実ははっきりしていないのです。
中国の南宋(1127〜1279)の時代に爆竹やねずみ花火に近い花火が楽しまれていたという史料や、14世紀後半にイタリアのフィレンツェで祝祭の花火が上げられたという史料はありますが、詳細は不明。いずれにしても、花火は火薬と火器という武器の発展の途上、その技術の応用として、ゆっくりと発達していきました。
日本の花火の歴史は、もちろん、もっとずっとあとから始まります。ルーツは天文12年(1543)の種子島の鉄砲伝来。そうです、このとき鉄砲とともに、火薬も初めて日本にもたらされたのです。しかし、火薬はまず戦争の道具、「火器」として使用されました。鉄砲が、その後の日本の歴史を変えていったのはご存知のとおり。
そして、江戸時代という安泰の世になって始めて、花火は火器から離れて考えられるようになりました。それは、戦乱の時代、火薬を扱っていた人たちが選んだ、平和な時代に生計をたてるための生きのこり策だったのかもしれません。ともあれ、日本の花火は、こうした人々が細々と作り始めた玩具花火の形をとって、まずは庶民の遊びの中に登場することになりま した。 |
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