浅草・雷門から東に歩いて隅田川の方向へ。そのまま「吾妻橋」を渡ってください。左手には、屋上に金色のオブジェが輝くアサヒビール本社。そして右手の角にあるのが、今回ご紹介する佃煮の名店「海老屋總本舗」です。
海老屋總本舗がこの場所に暖簾をあげたのは、明治2年。以来、5代にわたって江戸の味を守り続けてきた正真正銘の老舗です。
実は、その昔はお醤油だけで煮ていた佃煮のタレに、お砂糖を加えることを考えたのが、まさにこの店の初代。そして佃煮に「焼き」の技法を取り入れたのも、この店が最初です。
今では佃煮といえば、お砂糖と醤油があいまった甘辛味が当たり前のようになっていますが、当時はそんな佃煮はなかったのですから、きっと大変な努力と工夫があったのでしょうね。時間を旅することができたら、アイデアマンの初代さんが大鍋の前であれこれ工夫を重ねていた現場を見たいものです。 |