当店の創業は、江戸末期の文久2年(1862)。初代佐吉は剣士として北辰一刀流の腕前を持ちながらも、釣り好きが高じて、釣った小鮒を串刺しにして醤油でつけ焼き にした「鮒寿々め焼(ふなすずめやき)」を商いにしていました。
ある日品川沖で釣りをしていた所、時化で海が荒れており、釣り舟が流されてしまいました。佃島に漂着した時、佐吉は漁師が雑魚を塩煮にしているのを見て、小魚を当時高価であった醤油で煮込むことを思い立ちます。これを市中で売り出すと、大評判に。この時の醤油煮が、現在の「佃煮」の原型だと言われております。以来、鮒佐の佃煮は『元祖佃煮』として味を伝え、技を磨いて、150年もの間、食通の皆様に親しまれて参りました。
現 在の当主は、4代目。代々が受け渡してきた真摯なモノづくり精神を「原料を惜しむな」「手間を惜しむな」「知恵を惜しむな」の3つの言葉として社訓に掲げ、江戸名物の佃煮を生み出し続けています。
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