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老舗の知恵袋

大旦那のちょっといい話
<蓮玉庵> 澤島孝夫さんの「JAZZが好き」
今月の夜噺
澤島孝夫さんの巻(4)
【僕の好きなJAZZと蕎麦屋LIVE】

澤島さんのJAZZ「名盤」ベスト5。
FDC盤とVogu盤の『Duke Ellington』、
『Dixie by Dorsey』、『George Lewis』、
『Shelly Manne & CO.』

2009年の年末に、蓮玉庵で行われたライブ。
この日はLotus4+3で、大いに盛り上がった。
みよちゃん

さて、今日は連載も最後ということで、澤島さんが集めてこられたジャズの名盤からベスト3をあげていただきたいのですが。まず、前々回うかがったデューク・エリントンのコレクションからの2枚、これは別格扱いですね?

(澤島)

はい、エリントンの『Duke Ellington』(FDC:1005と1006)と『Duke Ellington』(Vogue)は特別枠ということで(笑)。

みよちゃん

では、いよいよベスト3を!

(澤島)

まず『Dixie by Dorsey(ディキシー・バイ・ドーシー)』(CBS)
ジミー・ドーシーは白人のミュージシャンだけど、アルトサックスもクラリネットも抜群に歯切れのいいディキシーを奏でる人。この盤は特にいい。

次は 『George Lewis(ジョージ・ルイス)』(Omega)
ジョージ・ルイスの音楽は、ちょっと暗くて、理知的な感じがあって、いわゆる日本人好みなんです。何を聴いてもいいけれど、これは7人編成で、全員が黒人のミュージシャン。「バーガンディー・ストリート・ブルース」なんかは特におすすめ。ぜひ、聴いてください。

そして、最後が 『Shelly Manne & Co.(シェリー・マン&カンパニー』(Contact)
ジャズは発生した場所によってニューオリンズ・ジャズ、シカゴジャズ等の経歴があるけれど、その集大成がニューヨークで成長をとげたスイング・ジャズ。なかでも、このレコードはコンボジャズの傑作と言っていいと思う。僕が今、一番好きな1枚です。

以上が、僕の大好きな2枚+ベスト3枚です。エリントンの2枚は未確認ですが、ベスト3はそれぞれCollectables、Storyville、SignatureからCDも出ているので比較的、手に入りやすいと思います。興味を持たれた人がいたら、聴いてもらえたら嬉しい。

みよちゃん

ありがとうございました。
ところで、お店でスイング中心のジャズライブもしておられるのだとか!

(澤島)

2000年から始めました。当店の定休日で、しかもミュージシャンの都合も良くて……というような具合ですから、不定期な上に、ご覧のとおり小さな店だから知り合いに声をかけたらすぐに満席。たくさんの人に聴いていただけないのが残念なんですが、2009年も秋と年末にやって大盛況。今年も4月にやる予定です。

みよちゃん

どんなバンドなんですか?

(澤島)

友人のバンジョー奏者が、彼の信奉するアメリカ西海岸で生まれたFire House Plus Two(ロサンジェルスのディズニーランドで生まれたバンド)を目指して編成したもので、当店の名前をとってLotus4(ロータス/蓮)と名づけました。
毎回、Lotus4+1だったり2だったりといろいろですが、超一流のミュージシャンが駆けつけたりして、毎回がサプライズ。成長途中のバンドなので、楽しみにしてください。次のライブは2010年4月26日に決まりましたよ。

みよちゃん

お蕎麦屋さんでJAZZライブ、最高ですね! 私もぜひうかがいます。
それにしてもこの連載、ジャズと落語……一見、相反する二つの趣味を持っておられるところが、江戸っ子らしいというか、東京っ子らしいなぁーと思いながら拝聴しておりました。何より、どちらもハンパでないところが(笑)。
本当に楽しいお話をありがとうございました!

■プロフィール
澤島孝夫(さわしま・たかお)
東京・上野の蕎麦店「蓮玉庵」6代目当主。1938年、東京池之端仲町生まれ。中央大学商学部卒。蕎麦を打つかたわらジャズ鑑賞を趣味とし、30年以上に及ぶ。特にデューク・エリントンのレコード収集は日本一といわれる。国内のみならず海外のライブハウスも徘徊。
著書『東京下町JAZZ通り』はジャズ仲間3名での共著だが、ここでは喬木省三(たかぎしょうぞう)」のペンネームを使っている。その他、蕎麦猪口、落語なども造詣が深く、趣味人として知られる。2000年頃から蓮玉庵でのジャズライブ「ロータス・ジャズ・クラブ」の企画を始めた。
蓮玉庵ホームページ:http://www.rengyokuan.com/

☆聞き手:太田美代

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